昭和20年代末、本会が提唱した化粧品公害の原因は合成界面活性剤(当時は 界面活性剤と呼んだ)だった。
皮膚をまもるのは脂だが、脂のままでは気持ちがわるい。
だから脂に水をまぜたい。かくて二千年前にできたのがコールドクリーム。
水は約50%で、べとついて気持ちがわるい。もっと水をふやして気持ちよくしたい、という業界の夢をかなえたのが戦後の合成界面活性剤だった。
水が90%以上の乳液やミルキーローションがそれだ。皮膚のパリアゾーンを壊して種々の添加物を皮内に浸透させて化粧品公害を招いた。
戦後の有機合成といえば、ポリマーはその代表。大きな分子で長くつながる。 高分子ともいい、合成樹脂はその代表だ。
ポリマーを水に溶かして透明の糊状にすると、粘りけがあって10〜20分はしっとりする。
これが自然派化粧品の無添加クリームや乳液だ。顔にはつやのないビ二ール を、整髪にはややつやのあるアクリル をと言えば、よけいなことを言うなと 怒るメーカーもあるだろう。
だが、やがて水は蒸発する。そして薄めた接着剤のような合成樹脂が皮膚にのこるのだ。
皮膚の環境は重要だ。洗顔をして皮脂を落とし、かわりにビニールを角質層にしみこませていたらどうなるか。そんな皮膚にメイクをしていたらど うなるか。
いくら化学添加物を含まないからと いって、学者までこんな化粧品を推薦するのはおかしくないか?(小学館文庫『警告「環境ホルモン」本当の話』)
●クリームは皮脂の代用品だ
皮脂が出なくなると皮膚がはげしく 老化する。
脂と水をまぜて白くにごらせたものがクリームだ。皮膚にぬると水が蒸発し、脂がのこって皮脂の代用品になる。
ほんの少し皮脂がたりない、という程度の人が使うのがもっと水の多い乳液だが、乳液は皮膚の環境をこわしやすいので、クリームを使ったほうが良い。
さて、なぜ皮脂が大切なのか…、と いうと、皮脂は 『角質層の形成に必要な環境』 だからだ。 角質層は、卵殻が卵の内部をまもっ ているように、皮膚をまもっている。
健全な角質層の維持には皮脂が必要な のだ。
そのために皮脂に似せたクリームを角質層に補給する。これがクリームの目的なのだ。
●合成樹脂を皮脂の代用に?
『変質しやすいので開封したら早く使 いなさい。』 という自然派化粧品。あら不思議、開封しても腐らない。これらのクリームや乳液には、奇妙なねばり気がある。最近人気のUVカ
ット化粧品の乳液にもこの種のものが多い。
このねばり気を別の物で思い出す人もいるのではなかろうか。
喫煙者に多いのだが、小包みをしばっているビニールのひもをライターで あぶって切る人がいるだろう。ビニールを溶かしたとき、うっかり指先でふれて『あちち!』と手をふり
まわした経験があるはずだ。
溶けたビニールは自然化粧品のクリ ームや乳汲と感触がおなじだ。化粧品に使われる、いわゆるポリマーとは合成樹脂などの合成高分子である。
合成樹脂にもカルポキシビニルポリ マーのように水に溶けるものもある。 ビニールを皮脂の代用になんて、頭が おかしいのではないか。
.............................................以下、次のページへ続く。
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